金融業界からの転職先として人気を集めているM&A仲介業の中で、インターネットを利用した独自のサービスを展開して、業績を高めている企業があります。「M&Aクラウド」はM&Aに特化した独自のプラットフォームを提供し、業界の常識に逆らいながら急成長している企業です。
M&A仲介業への転職を検討している方は、高い年収が魅力の日本M&AセンターやM&Aキャピタルパートナーズだけでなく、M&Aクラウドのような新たな事業を提供している会社を候補として検討してみてはいかがでしょうか。
本記事では、M&Aクラウドの会社としての特徴を見ながら、転職先として検討する際に大切な年収や労働環境について詳しく解説していきます。
M&Aクラウドとは?
M&Aクラウドは2015年に設立されたM&Aプラットフォームを提供する株式会社です。M&A仲介業では、売り手と買い手の間に入ってM&Aを全般的にサポートするアドバイザーを主な事業として見据えている企業が多いですが、M&Aクラウドではオンライン上に買い手の情報を公開し、売り手自由にM&Aを打診できるプラットフォームを提供しています。
M&Aプラットフォームでは、それぞれの希望するニーズや顔を見ながら、買収先を検討できるため、買い手と売り手のミスマッチが起こりにくく、スムーズにM&Aの誓約につながるメリットがあります。
また、大企業・ベンチャー・中小企業といった幅広い買い手が掲載されているため、それぞれの事業規模にあった買収先を見つけることができます。
M&Aクラウドのサービス
M&Aクラウドはオンライン上でのM&Aプラットフォームと独自のM&Aアドバイザリーの2つを主要なサービスとして展開しています。どちらのサービスを見ても、個人の営業の能力が重要視されているM&A仲介業の中では珍しい、ITに重きを置いた事業内容になっています。同社への転職を検討している方は、詳しい事業内容を事前に確認しましょう。
プラットフォームサービス
プラットフォーム事業は同社の根幹となるM&Aマッチングプラットフォームです。同社の提供するサービスは、買い手がオンライン上に買収ニーズを登録し、売り手を募集することができます。
また、売り手側は匿名企業としてオンライン上に登録することで、買い手側からスカウトを集められる仕組みになっています。通常のM&A仲介では条件の交渉や信頼関係の構築に時間がかかってしまいがちですが、買い手と売り手がサービスを介して直接交渉することで、迅速にM&Aを進めるだけでなく経営戦略や条件面での不満を少なくし、スムーズな誓約につなげることができます。
アドバイザリーサービス
アドバイザリー事業は、プラットフォーム事業で培ったデータやテクノロジーを活用し、買い手と売り手の双方に対してM&Aをサポートするサービスです。M&A戦略の立案から誓約までを総合的にサポートするだけでなく、高齢化による事業承継問題といった中小企業が抱える問題の解決にも力を入れています。
また、資金調達や資本提携といった財務関係のアドバイザリーにも注力しており、プラットフォームを提供する企業としてだけではなく、M&Aを総合的に取り扱うプロフェッショナルとしての側面もあります。
M&Aプラットフォームのメリット
同社のM&Aプラットフォーム事業は、これまでITへの関わりが少なかったM&A仲介業を大きく変えた画期的なサービスです。売り手側はサービスを利用することで、コストを大きく抑えられるだけでなく、最適な譲渡先をスムーズに見つけ出すことができます。
また、同サービスではM&Aだけでなく、経営戦略を進める上での資金提供先を見つけ出すこともできます。本章では近年業績を大きく伸ばす同社のM&Aプラットフォーム事業のM&A仲介におけるメリットについて詳しく見ていきます。
ミスマッチが少ない
同社のサービスでは、買い手が自社の出資ニーズをオンライン上に公開し、詳しい条件を提示した上で売り手を集められるため、双方のミスマッチが起こりにくいです。売り手側は買い手側の事業や経営戦略を理解した上で買収先として検討できるため、手塩にかけて育てた会社を最適な買い手に譲渡することができます。
中小企業のM&Aでは経営戦略や条件面で売り手と買い手のミスマッチが起こりやすいため、サービスを利用することで、双方とも大きなメリットが期待できます。
M&Aのコストがかからない
同社のサービスでは、M&A仲介業社を介さずに直接M&Aを進められるため、コストが非常に安く抑えられます。買い手側に対して売り手側が直接売却や資金調達の話を進められるため、仲介業社に支払う着手金や手数料が一切発生しません。
また、売り手は買い手を探す際にプラットフォームを閲覧する料金もかからないため、利用料などのコストも抑えることができます。売り手側がサービスを無料で利用できる理由は、買い手側からM&A広告として掲載費や誓約手数料を取っているからです。
サービスを利用してオンラインでやりとりができるメリットはこれらのコスト面だけでなく、M&Aの誓約に向かう様々なプロセスを効率よく進めることにもつながります。
資金調達にも利用できる
同社のプラットフォームではM&Aだけでなく、資金調達先も探すことができます。事業継承のためのM&Aだけでなく、事業を成長させるための資金調達先をオンライン上でマッチングできるため、様々な企業のニーズに応えられます。
また、M&Aと同様に買い手の情報が公開されていることにより、資金調達先を探す際も安心かつスムーズに進められ、条件面での相違点などが発生しにくいメリットがあります。
M&Aクラウドの転職先としての情報
M&Aクラウドはプラットフォーム事業に重きを置いたM&A仲介会社であるため、アドバイザーとしての募集が多い他社に比べると、給与形態や募集職種が大きく異なります。
また、M&A仲介業の中では珍しい、チーム主義に重きを置いているため、他業界から転職する人材も働きやすい環境が揃っています。金融業界から同社への転職を考えている方は、転職先としての具体的な情報を集めてみましょう。
平均年収
同社は非上場企業であるため、具体的な平均年収の金額はわかりません。求人情報で掲載されている年収のモデルケースでは、エンジニアで500〜750万円となっており、年収が1000万円を超えることの多いM&A仲介業の中では少ない金額となっています。
これは営業の成果報酬主義による高額なインセンティブが魅力のM&A仲介業界の中では珍しく、若い年代で高額な年収を期待する方の転職先としてはやや不向きな印象です。
報酬形態
同社は10時〜16時までを就業時間としたフレックスタイム制を採用しています。休日も完全週休2日制、充実の福利厚生を実現するなど、社員にとって働きやすい環境が揃っています。
M&A仲介業ではアドバイザーの年収が多い反面、社員が肉体的にも精神的にも疲弊しやすいことから、平均勤続年数が低いとも言われています。同社は社風に全体成果主義を掲げており、インセンティブ目的の成果報酬主義を排除し、チームとして成果をあげることで、個々の報酬も高くなるという方式を採用しています。
募集職種・選考方法
同社の採用活動は2021年に総額10億円の資金調達を実施したことで、人材の採用と組織拡大に力を入れており、現在50名程度の社員数を数年後に数百人まで拡大する見通しです。同社の採用では、幹部候補として様々な職種の人材を募集しています。エンジニアやM&Aアドバイザーはもちろん、デザイナーや広報などの職種も募集しています。
同社の選考では、カジュアル面談と呼ばれるオンライン面談を採用しており、書類審査を通過した応募者は執行役員と面談することになります。M&Aアドバイザーとしての採用が多いM&A仲介業は、前職での営業実績が高く評価されることが多いですが、幅広い職種を採用している同社では、様々なバックグラウンドからの転職を受け入れているようです。
M&Aクラウドが求める人材
M&Aクラウドは個人の成果主義になりがちな、これまでのM&A仲介業とは異なり、チームで新しいサービスを作り上げることができる人材が活躍できる環境が揃っています。本章では、M&Aクラウドの社風を通して、同社が求める人材について解説していきます。
チャレンジ精神の強い人材
同社の社長である及川氏は、それぞれの時代における重要な課題を解決し、人類を一歩前進させる企業を目指すためにM&Aクラウドを設立しています。同社の求める人材に近づくためには、M&A仲介業の常識を壊しながら、新しい価値を創造したいという強い意志が必要不可欠です。また、自分の視野を広く持ちながら、新しいことに挑戦することに対するモチベーションも大切で、常に成長できる人物像が求められます。
ワンチーム主義を実践できる人材
同社はM&A仲介業では珍しいワンチーム主義を掲げている会社であるため、チームワークを重視できる人材が求められます。給与面の全体成果主義にも見られる通り、M&A仲介業の常識でもある個人主義を徹底的に排除し、バックグラウンドの異なるメンバーがそれぞれ連携を取りながら一つのサービスを作り上げていくことになります。個人の営業実績で青天井式にインセンティブを獲得したいと考えている方は注意が必要です。
M&Aクラウドに転職するためには?
M&Aクラウドは、売り手が買い手企業をオンライン自由に探すことができるM&Aプラットフォームで業績をあげているM&A仲介業です。個人の営業活動が収益に大きく影響するM&A仲介業において、ITを使った画期的なサービスを導入するだけでなく、個人の成果主義を徹底的に排除し、チームワークを重視した全体成果主義を採用している点も特徴の一つです。
M&Aクラウドはアドバイザーだけでなく、エンジニアや広報といった職種の採用にも力をいれており。2021年以降は異業種からの採用も積極的に行なっています。チャレンジ精神が強く、ワンチーム主義で活躍できる環境を探している方は金融業界からの転職も検討してみましょう。