M&A仲介業は中小企業の事業承継問題の解決策として近年大きな注目を集めており、業界全体の業績も伸びています。M&A仲介会社の多くはM&Aにおける相手先の選定から統合までのサポートを業務としていますが、これら以外にも様々なサービスを展開することでその業績を伸ばしている企業があります。
M&ADXは全事業を見渡すと15個のM&Aに関わるサービスを提供し、中小企業から人気を集めている企業です。本記事ではM&Aの総合商社として注目を集める同社の事業内容を見ながら、転職する際に求められる能力や採用試験について解説していきます。
M&ADXとは?
M&ADXは中小企業のM&Aを中心に様々なサポートを行うM&Aの総合商社です。仲介会社の同業他社は通常5つほどのサービスを展開していることが多いと言われていますが、同社では大きく分けて15種類のサービスを提供しており、事業継承を目的としたM&Aのサポートに留まらず、事業再編や資金調達、資本提携などの支援も行います。
そのため、それぞれの企業のニーズや事業戦略に合わせて手厚いサポートができます。まずは同社と他の仲介会社との違いをわかりやすく解説します。
充実のサービス
同社の最大の特徴がM&Aを中心とした充実のサービスです。M&Aに伴う相手先の選定、交渉、契約書の作成といった仲介業務はもちろん、株価、企業価値の算定などの専門的な業務も自社で一括して引き受けることができます。
また、M&Aの枠だけに留まらず、資産管理や相続対策、事業再編や資本提携といった、それぞれの企業の経営者が抱える様々な悩みを幅広く支援できます。経営者の立場から見ると、様々な仲介会社や金融機関に個別に相談しなければならない案件を一括して依頼することができます。
独自のネットワーク
同社は全国の金融機関、士業、仲介会社との独自のネットワークを構築しています。M&Aを実行する際は相手先候補となる会社の選定に時間がかかるケースが多いですが、同社のネットワークを生かすことで、たくさんの候補企業を素早くピックアップすることができます。
また、1万件を超えるとも言われる過去のM&Aデータを活用し、ピックアップした企業の中から大きなシナジーを期待できる相手先候補を見つけることができます。
充実の専門家
同社の社員にはM&A仲介に必要不可欠な公認会計士、税理士が多数在籍しており、専門家にサポートしてもらうことができます。専門家を抱えていない仲介会社では株価や企業価値を算定する際に士業事務所へ別途業務委託を行うケースもあるため、M&Aがスムーズに進まないことも少なくありません。
同社のM&A仲介では専門家の力が必要な業務も同社が一括して引き受けられることから、統合までのすべてのプロセスをスムーズに進めることができます。また、M&Aシニアエキスパート、AFP、情報処理技術者なども在籍していることから、M&Aを実行する中ででてくる様々な課題の解決が可能です。
M&ADXの事業内容
同社はM&A仲介を中心に合計で15を超える事業を展開しています。これはM&A仲介を担当する優秀なアドバイザーだけでなく、専門的な知識や経験に長けた専門家が多数在籍していることから、展開できる事業の内容が幅広いという理由があります。本章では同社の展開する様々な事業の一部を具体的に解説していきます。
M&A仲介
同社の中核となるM&Aの仲介業務です。経験値が豊富な専門家と豊富なデータベースを活用することで、企業側の細かいニーズに応えられるM&Aの実現を目指します。また友好的な承継を経営理念においているように、買い手と売り手になる企業はもちろん、従業員や取引先の全員が満足できるM&Aの実現を掲げています。
株価・企業価値の算定
中小企業のM&Aでは、非上場企業の株価を算定しなければいけないケースがほとんどです。同社では専門家による株価や企業価値評価を事業の一つとして提供しており、売り手側と買い手側の双方が納得できる企業価値の算出を行います。適正な価格によるM&Aを実行することは、売り手側はもちろん、買い手側の統合後の事業を進めていくためにも大きな価値があります。
統合後の支援
M&Aでは、統合までのプロセスだけでなく、統合後の会社の整備も非常に大切だと言われています。同社では統合後の企業に対するサポート業務を事業として行なっており、買収後の企業の様々なトラブルを共に解決します。また、統合後の業績の鈍化を避けるための対策を事前に行うこともできます。
PPA支援
M&Aでは買い手側の企業が株主や取引先に譲渡価格に対しての説明を行うPPAを実行する必要があります。同社の社員には大手監査法人でPPA支援を行なっていた人材も在籍しており、株主や取引先も納得できる説明を行うことができます。また、大手監査法人に比べるとPPAの報酬が抑えられているため、企業側のコストカットも期待できます。
分析・調査
M&Aを進める際は買い手側が売り手側の経営・財務状況を調査する必要があり、公認会計士や税理士といった専門家に依頼をすることになります。同社では多数のM&Aを担当した専門家が在籍していることから、信頼度の高い分析や調査をスムーズに依頼できます。
事業承継支援
中小企業が抱える事業承継問題の解決を目指した総合的な支援を行います。M&Aの際に経営権をスムーズに以降するための統合作業はもちろん、創業者の資産を最大限に守るための様々な施策を専門家と共に検討していきます。
事業再編・再生
事業が行き詰まっている企業に対して再編を行います。それぞれの企業の価値を算出し直すだけでなく、M&Aによる新たな事業展開や買収先の検討などを1から提案していきます。また、経営者に対しての顧問サービスも行なっており、成長支援はもちろん、M&A以外の会計や税務などの総合的なサポートを行います。
M&ADXに転職するためには?
M&ADXは未経験者の中途採用も行なっており、金融業界を中心に様々な業界の人材を受け入れています。本章では同社が求める具体的な人物像を見ていきます。
高いモチベーション
同社が求める人材はM&Aに対して高いモチベーションを持ち、一つの企業に関わる様々な人たちを幸せにしたいという熱意が必要です。M&Aは経営者が手塩にかけて育てて来た企業を譲渡する人生の中でも非常に大きな出来事です。また、経営者だけでなく、従業員や取引先などの様々な人の人生を大きく左右することになります。M&Aを通してこれらの人々を幸せにする強い気持ちが必要不可欠です。
向上心
同社ではM&A業界で活躍したいという強い向上心が求められます。同社のアドバイザーの中には業界未経験から活躍している方が多く在籍しており、入社して1年以内に結果を出す事例も珍しくありません。これは同社の教育システムや研修が充実していることはもちろん、それぞれの社員が強い向上心を持って業務に取り組んでいるからです。逆に言えば強い向上心があれば、経験や知識は後からしっかりとついてきます。
人柄
同社では経営者から信頼関係を獲得できる人柄も大切にされています。M&Aでは経営者が長い年数をかけて育て上げた企業を他の経営者に譲渡することになります。そのため、経営者と仲介に入ることになるアドバイザーとの信頼関係の構築が非常に大切です。営業力や知識が備わっている人材でも、経営者から信頼関係を獲得できる誠実な人柄がなければ、大切な案件を成約まで導くことは難しいです。
M&ADXの採用情報と年収
M&ADXでは中途採用はもちろん、新卒採用も行なっています。M&A仲介業では案件を獲得する営業力や、豊富な知識が求められるため新卒採用を行なっている会社が少ないです。そのため、新卒学生でM&A業界を目指している方には貴重な企業と言えます。新卒採用の基本給は他業界の企業と同様の金額ですが、中途採用と同じく上限なしのインセンティブが用意されているため、成果次第では20代前半でありながら高い年収も期待できます。
中途採用の基本給はアドバイザーの経験者と未経験者に大きな幅があります。入社5年目の経験者の事例では、年間の基本給だけで1000万円を超える報酬を受け取っているため、インセンティブが獲得できなくても破格の待遇が用意されていると言えます。
新卒採用
職種 | 新卒(高卒・大卒) |
給与モデル | 基本給200,000円残業代45,000円インセンティブ |
福利厚生 | 社会保険完備交通費全額支給 |
勤務地 | 東京・名古屋・大阪・福岡 |
勤務時間 | 9:30-18:30フレックス制度あり |
休日 | 完全週休2日制年末年始休暇有給休暇 |
中途採用
職種 | M&Aアドバイザー(経験者・未経験者)マーケター |
給与モデル | 基本給年間4,000,000円~12,000,000円インセンティブ |
福利厚生 | 社会保険完備交通費全額支給 |
勤務地 | 東京・名古屋・大阪・福岡 |
勤務時間 | 9:30-18:30フレックス制度あり |
休日 | 完全週休2日制年末年始休暇有給休暇 |
H3 選考の流れ
同社の選考の流れは新卒採用も中途採用も面接試験が中心となります。書類選考を通過した方は合計で2回の面接を経て内定となります。同社の求める人材は仕事に対する熱意はもちろん、経営者に信頼される人柄に重きを置いているため、面接試験の重要度が非常に高いです。
M&A仲介業の面接試験では、1次試験で採用担当者と面接を行い、最終面接では役員クラスとの面接が用意されていることが多いです。選考対策を行う際はM&A業界で自身が貢献できるスキルを明確にすることはもちろん、活躍したいという熱い想いをまとめ経営陣に素直にぶつけてみましょう。
H2金融業界からM&ADXへの転職を考えよう!
M&ADXは2022年の時点で22名の社員を雇用し、少数精鋭でM&A事業を進めている企業です。アドバイザー職には破格の報酬も用意されているものの、未経験者が採用されることは狭き門となっています。
金融業界からM&ADXへの転職を考えている方は、前職での優れた営業実績はもちろん、M&A業界に対する強い想いが必要不可欠です。また、税理士や公認会計士といった資格取得者も多く採用しているため、会計や財務に関する国家資格を有していれば書類選考を優位に進めることもできそうです。